札幌にはなぜか、「スープカレーを出す店」が多い。従って、カレー専門店自体の数も、
他の都市と比べて多いようだ。これは私が全国のイエローページで数えて調べたことだから本当だ。
 
ところで、スープカレーが何なのか、想像がつかない方も多いことだろう。
「とろみの少ない、いわゆる家庭のカレーとは違うサラサラカレーであれば、
インド人経営のインド料理店でも食べられるではないか」と言われそうだが、スープカレーは、
それともまた、違うタイプのものなのである。
 
まずは、器。それこそラーメンどんぶりのような深い皿に、どっぷりと汁が入っている。
その汁とは、まぎれもないカレー味。というよりは、各種スパイスが入った、カレー風味の
スープである。インド料理店のカレーは、スープ状ではあるが、さすがにどんぶりには
入ってこないでしょ?
 
カレーの具は、概して、ごろごろ野菜や骨付きチキンなど、大きめのものが多い。
スープと一緒に煮込むのではなく、ゆでたり下味を付けておいた具たちをまず器に入れ、
そこにスープを流しこむという形のことが多い。
「それでは具に味がしみこまず、イマイチではないのか」と思われそうだが、
逆に、あっさりめで、スープの味を純粋に味わえるため、これはこれでおいしいのだ。
 
スープカレーには、ナンではなくライスを合わせる。これもインド料理店とは違うところだ。
ナンを無理やり合わせたとしても、いかんせんスープのため、ナンがしなびてしまうだけだろう。
さて、このスープカレー。いったいどこから生まれて、どうやって広がったのか。
真相はよくわからない・・・ 聞きかじった話では、中央区の「アジャンタ」が最初だったとか、
「スリランカ狂我国」のスリランカカリーが発祥だとか、いくつかの説があるようだが・・・

一気に増え始めたのが、1998年ごろ。気がつくと、あそこにも、ここにも、「カレー」の看板が・・・
という具合に、毎月のように数店ずつ増えて行った。そのころ私は「札幌カレー戦争」と題して、
夕方のニュースで特集を組んだ。(そんなのニュースでやっていいのか?という疑問はあったけど)

そのとき取材した栄養・食文化専門の教授によると、札幌人がスープカレー好きなのは、
さかのぼると「石狩鍋」に代表される鍋料理に由来するという。元来、北海道の人は、寒さ厳しい中、
あつあつのスープとたっぷりの具がおいしい鍋料理を好んで食べてきた・・・ 従って、
スープたっぷり具がゴロゴロ…のスープカレーが好まれているのだ・・・ という説である。
なんとなく、「なるほど」と思ってしまう話だが・・・ どうなのかねえ?

もう1つ、北海道人のカレー好きを証明するデータがあった。
ハウス食品への取材でわかったことだが、1キロ入りカレールーの売上は、北海道が
全国ナンバーワンだ・・・ということ。1キロ入りとは、キャンプなんかの時に使う、
一番大きい業務用チックな箱のルーである。要するに、北海道人は、ルーをたっぷり作って
たっぷり食べるのが好き、ということらしい。
・・・まあ、これもちょっと裏付けとしては弱いネタだけど。
「札幌人(北海道人)はカレー好き?」
「私がスープカレーにひかれるワケ」
札幌に住んでいた6年間、数え切れないほどスープカレー店に足を運んだ。そもそも私は、学生時代に
東京のカレー屋でアルバイトをしていたこともあり、基本的にカレー好きだった。でも、これほどまでに
自分がカレーにはまるとは(しかもスープカレーに)思っていなかった。

スープカレーとの最初の出会いは、確か、職場の近くにあった「スリランカ狂我国」であろう。
先輩に初めて連れて行ってもらったときは、初めて見る不思議な状態の食べ物に???の連続。
しかもそこは、辛さが0番〜100番まで選べるというすさまじい店で、スープカレー初体験の私は
控えめにラッキーセブンで7番にしたのだが、これが相当スパイシーで辛くて辛くてつらかった。
正直言って、その時はあまりスープカレーというものに好感が持てなかったのだった。

その後、地元雑誌などでカレー特集がひんぱんに組まれるようになり、スープカレーの店が
札幌にたくさんあることを知る。食べる好奇心は人一倍強い私、さっそく何店か試してみた。
すると、以前抱いていたスープカレーの印象(辛くてつらい)とは違うスープカレーがあることに
気付いた。店によってかなり味やスパイス加減が違うこともわかった。

それからは、ひたすら新規開拓に精を出した。幸いにして、カレー屋というのは、ラーメン屋と並び
一人客が多いところ。休みの日には、わざわざ車で目的の店まで足をのばすこともしばしばだった。

おそらく、カレーのスパイスには麻薬的な効果があるのか、ひんぱんに食べていると、体がカレーを
求めてくるようになる。そろそろ食べないと…みたいな、そう、スパイスが切れて来るというのかな。

普通、カレーというと、結構おなかにたまるし、コッテリしてるし、毎日なんて食べたくないと思うだろう。
しかし、このスープカレーは、前述のとおり非常にサラサラ・スッキリした味で、ドロドロしてないために
それほどお腹にたまらない。どちらかと言うと、汁かけご飯・お茶漬けに近い感じなのだ。
だから、本当に、毎日でも大丈夫なのだ!
「札幌スープカレーの今、そして未来は・・・?」
私が札幌でスープカレーを食べ歩いていた頃、それはまだメジャーとは言いがたい存在で、
カレー好きは一種のマニアみたいな感じがあった。確かに、慣れるまでは一般人にはとっつきにくいであろうから。

ところが、今や、もともとカレー好きではない市民もスープカレーを食べるようになったと言うではないか!
その象徴が我が妹である。数年前は、外食する=カレーを食べに行く、という図式は成り立たないタイプだったが、
最近は、休みの日にわざわざカレーを食べに出向くこともあるという。きっかけはカレー好きの友人に
スープカレーを紹介されたことだと言う。

まだ知らない人も多いスープカレー。特に首都圏では全くと言っていいほどその姿を見かけることはない。
しかし、一度知ったらやめられないのがスープカレー。潜在的スープカレーファンはかなりいると思う。
このほど横浜に、札幌西区琴似に本店のあるスープカレー店が進出した。もしかすると、それが火付け役となって
首都圏でもブレイクするかも知れない?!

「札幌といえばラーメン」の図式を変える可能性を持つ「札幌スープカレー」。
ぜひとも、横浜カレーミュージアムに出店し、一躍メジャーに踊り出て欲しい。そして、首都圏でも
スープカレー巡りが楽しめるくらい、たくさんお店が増えて欲しい。
札幌出身・カレーファンの切なる願いである・・・  あ〜 スパイスが切れてきたぁぁぁぁ・・・
「札幌スープカレーって何?」